人は誰もが「人生」という旅を続けています。
もちろん危険を冒さない、平穏で無難な旅も悪くない。けれど、「とんでもない冒険」の旅にチャレンジすることだってできます。
進学・就職・スポーツ・芸術・起業・・・なんでもかまいません。
冒険とは、自分の中にある夢や目標だと思うのです。
そして、他人からみてどんなに些細な夢だとしても、夢や目標に、大きい小さいなどなく、自分がチャレンジしたいのかどうか? 真剣に叶えたいと思っているかどうか?それだけです。
こうした「人生の冒険」を誰かに伝えると、否定されたり馬鹿にされることもあるかもしれません。しかし、今まで挑戦を通して私が見てきた世界は、成功も失敗も超えた「同じ魂の温度を持った仲間と信じ合う・応援しあう」世界でした。
そして、今回私は
世界最長!世界一過酷な道をクラッシックカーで駆け抜けるモーターアドベンチャーRallyに参戦を致しました。
あの有名な「パリダカ」の3倍にも及ぶ、最も長く、最も困難なドライビングチャレンジに初の日本人女性として、「北京パリモーターチャレンジ2024」。
14000km、世界半周の過酷極まりないルートへのチャレンジでした。
国内や海外の沢山のラリーに参戦して来た私ですが、今までに経験もない規模の今回の「北京パリラリー」へのチャレンジは、7年前に私の心に芽生えました。
「このラリーに挑戦したい」と人に伝えると、「お前には無理だよ」と多くの人に否定されました。
それでも、本当に信頼できる仲間からは「信じているよ」という言葉をもらい、その言葉が今も自分の支えになっていました。
「夢」という言葉の持つ響きはいいけれど、現実の挑戦は失敗と挫折の連続しかありません。
この「北京パリラリー」という『冒険の旅』の真の目的は、失敗も挫折も共有することで、失敗への恐れや否定という心の限界を打ち破り、何かに挑戦する人、挑戦しようとしている人へ勇気や希望を届けることです。
どうか・・人生という旅路を共に走りましょう!
走るとは?
あの有名な「パリダカ」の3倍にも及ぶ、14,000km、世界半周という過酷極まりないルートは最も長く、この北京パリは「最も困難なドライビングチャレンジ」といわれています。
37日間という長く、険しい道のりはモータースポーツという枠を超え、「命がけの参加者」の「生きざまそのもの」を大きく伝える「とんでもない冒険」といえました。
走るとは、「ゴールにたどり着く」ことだけではなく、そこに至る全ての過程を経て「夢を実現する事」そのものだと私は考えています。
以下、ラリーの詳細です。
日時
2024年5月18日スタート→2024年6月23日に約1万4000km(8700マイル)37日間
ルート
中国万里の長城→モンゴル→カザフスタン→ウズベキスタン→アゼルバイジャン→ジョージア→トルコ→ギリシャ→イタリア→フランス・パリ
世界恐慌と言われたコロナ問題に加え、ロシアの戦争の影響で、2年という歳月が
延期され、今回のルートは
ロシアを避け、初めてのカスピ海を船で渡るというルートに変更。
9つの国境を渡りトルコ、ギリシャそしてフランスアルプスという厳しい
道にぶつかります。
チャレンジ車両
1929年 Buick Doctors Coupe
「ドクター」という名の通り戦前、車後方に医療器具を乗せて使われていたという歴史がある、過去の北京パリ完走の「経験車」です。
否定・諦めへの挑戦
私は思います。
誰もが本当は、自ら未来を切り開いていけること、 夢や志を実現することが可能であるべきではないかと。
2020年の世界恐慌と言われるコロナ騒動に始まり、ロシアの紛争、未だ解決をしない出発地中国の情勢で開催が2年延期となり、開催は2024年と延期されました。
そして予定ルートであったロシアは「ロシア・ウクライナ問題」のため大幅なルート変更を余儀なくされましたが、主催者も私たちも諦めることなく挑戦に向かいました。
2022年、皆様からの大きなご支援をいただき、参加者が必須条件となった前哨戦
「サハラチャレンジ22023」でのテスト走行も終えることができました。
私の本当の夢は「否定や諦め」という偏見や心の壁をなくすこと
私の夢は、北京パリラリー完走だけではありません。
私の本当の夢は「否定や諦めという偏見や心の壁」をなくして、みんなが応援し合える世界に少しでも近づくことです。ですので、北京パリラリーの生中継を通して『挑戦する姿の共有』を行いました。
この『挑戦する姿の共有』は、ラリー中の生中継や動画配信をするだけではありません。襲い来るトラブルや失敗・挫折も共有します。
なぜなら、本当の挑戦は失敗と挫折の連続だからです。
いままでの人生でも、「お前には無理」と言われたこと、「自分でも諦めていたこと」にがむしゃらに立ち向かって、乗り越えてきました。
人財共育の講演で学校や企業などを訪問させて頂いた時に、先生から「お前じゃ無理だよ」と否定されて落ち込んでいる学生さんをたくさん見てきました。
その光景はまさに、私が過去経験してきたことや北京パリに参戦すると告げた時の周囲の反応と全く同じ。
「否定という壁」でした。
否定という壁は学校だけではなく、社会にも蔓延しています。
サーカスの象の話のように・・人間は否定され続けると「やっぱり私には無理なんだ」という固定観念に縛られ、小さな「くさび」すら抜こうとしない・・足を上げようとしないサーカスの象になってしまいます。
北京パリの生の体験を通して、失敗も挫折も共有、失敗への恐れや、社会からの否定を跳ね返して、人生を最後まで走り抜けたいと思います。
爰野寿美子(こもちゃん)プロフィール
1973年秋田県生まれ。
内臓の奇形児で誕生しました。
学校で勉強するより、病床でいつも死にたいと考える子供でした。
幼いころから病院にずっと入院していたこともあり、就職しても常識がわからず社会不適合と上司に言われました。 人間関係も全くうまくいきませんでした。あまりに場違いで、辛すぎて、実は当時の記憶はあまり無いのです。
「他人と同じじゃなくても、私には私の生きる場所があるはず。私という人間を活かせる場所がきっとあるはず。」
そんな思いから、世の中に「ワクワク」を発信する人財共育事業を自ら設立しました。
五感で学ぶ、「こもちゃん流」のコミュニケーション講師として全国を旅のように周り始めました。
心も体も不自由だった私がたどり着いた「最もシンプルな思考」は、多くのひとに勇気・希望を与えたのでしょう。気付けばクチコミで広がり、全国200講演以上をこなしていました。
現在はモータースポーツラリーに魅せられ、日本から世界へ飛び出し、「人生を走るドライバー」として世界の数々のモータースポーツに挑戦して参りました!
突然訪れた悪夢。チャレンジの途中、宣告された悪性の癌
1年前、宣告された「悪性の癌」。
チャレンジの途中で、やむなく検査入院で足止めを食らいました。
でも、私は絶望の底までは落ちませんでした。それは「この挑戦」があったから!人は誰しもいつしか死ぬ・・
だからこそ残された時間を絶望している時間すら「もったいない」と思えたのです。だからこそ、私はこのチャンスを絶対逃さないし、逃せないと感じています。
「走るしかない!」
標準治療の時間とお金すらラリーのためにかけ、
これには主治医も驚きを隠せない様子で、標準治療をしないで進む人生に理解は難しく
何度も話し合いを重ねました。
最後は自分の後悔のない人生でしかありません。
「体調はどうなの?」と聞く主治医に「はぁ・・癌に関しては、私意識不明なので・・」と答えると大笑いされました。
そう。
走るしかない!
それは「行動したい」と感じた人が 「行動できる」社会の実現に向けて、 まず「自分自身が走ることで、可能性を示したい」という思いがありました。
やりたいこと全てにチャレンジしたい!
癌の治療は最低限できることを話し合い、わずかスタート5ヶ月前に手術を済ませ、
それでも私らしく走りぬくことを選択しました。
人は誰しもいつしか必ず死ぬもの。どんなに欲張っても、何一つ向こうへは持って行けないのです。私は「ありのまま」を全て受け止め、それなら「前向きに病気と向き合っていこう」という選択で進んできました。
愛する人、私に愛をくれる人。
重なる心。私と同じ温度の魂をもった人との出会い。
それだけで、私には十分です。
これが私の選んだ道、私の「生きざま」。
自殺者が増え続ける現代を生きる全ての人に、私の生きざまを通して「生きる」意味と希望を少しでも見出してもらえるなら・・
本気でそう思っています。
私が走る姿で あなたのチャレンジスピリットに炎を灯したい!
それが私の走る意味、生きる意味です。