今日は私の挑戦に向かっている「北京パリモーターチャレンジ」について、どんなラリーなのかを紹介していきたいと思います。
このラリーは北京からパリを、往年のクラシックラリーカーを用いて縦断する耐久ラリーです。37日間で、約14,000kmを疾走します。
ラリーという言葉の語源は「再び集う」という意味だそうです。
北京をスタートし,パリに戻るというこのイベントは,ラリーそのものの伝統を現代に残す非常に貴重な競技形態を用いています。
北京パリモーターチャレンジ第1回大会
第1回大会は1907年に開催されました。実際に参加した5台のうち,4台は完走を果たしました。
その大会で優勝した選手は「このルートを自動車で行くのは、およそ不可能である」という名言を残したそうです。それほどタフで、想像を絶する冒険だったという事でしょう。
第2回大会はその100年後の2007年。その後3年周期で開催されるようになり、最近では2019年に開催されました。その模様はYoutubeでも視聴可能になっています(peking to paris rally で検索すると数々の動画が出てきます)
本来は今年(2022年)開催予定でしたが、コロナで叶わず。来年開催される予定になっています。コロナに加え、ロシアウクライナ問題も勃発していますが、主催者と挑戦者はルート変更や様々な問題を解決すべく全力でこのチャレンジに向かっています。
注目点
①37日、14,000キロを走破する!現代のモータースポーツでは考えられないほどの規模で開催されるラリー
中国・北京からフランス・パリまで、総走行距離は14,000キロ以上。時に1日600キロ以上を走破し、中国からモンゴル、中東を経てヨーロッパに帰還します。
モンゴルでは広大な草原(グラベル)を天気に構わず走り、ヨーロッパでは美しいワインディングや細い街道(ターマック)までを、1台のマシンで走ります。
今のWRC(世界ラリー選手権)では天候が原因でキャンセルになるであろう状況でも、このラリーでは走っています。走らないと到着しないという部分もあると思いますが、それを許容しているオーガナイザー(運営)には、チャレンジ精神を感じる事ができます。
②かつてラリーを沸かせたクラシックカーと、今や伝説と言えるビンテージカーの競演
前回(2019年)大会には、大勢のエントラントが参加。かつて1971年のサファリラリーを制覇したダットサン240Zを筆頭に、ポルシェ911タルガ、メルセデス・ベンツ230SLといった名車が参戦しています。
ビンテージクラスに於いても、ベントレー41/2Litre“ブロワー”(ルマン24時間に参戦)、シボレーファンジオクーペ、コントレ・モーターサイクル(第1回大会にも出場した5台の中の1台。3輪車!)等、今や伝説となったマシンが現役に戻った姿で参加しています。
③世界最大のクラシカルイベントに挑戦するという意義
かつては「自動車と人類の限界に挑戦する」という趣もありましたが,現在ではクラシカルイベントとして,各国から参加するエントラントにはどこか「冒険を最大限に楽しもう」という気概が感じられます。参加者同士も争うというよりは「仲間」というイメージが強いようです。
もしマシンがスタック(悪路でタイヤが空転する現象)すれば,地元の観客が協力してマシンを押すだろうし、参加者間では情報や部品の共有もあるかもしれない。そういった平和的なイベントでもあります。
このラリーが特別である理由
「北京パリモーターチャレンジ」は大陸を縦断するので,非常に大きな規模になります。耐久のイメージがあるラリーというスポーツですが,昨今のモータースポーツ事情(環境問題,インフラ,資金的事情)も手伝い,近年は距離の短縮化が進んでいます。
有名なパリ・ダカールラリーでさえ、国際的な問題で安全を確保出来ず中止になった2008年以降、場所を南米や中東に移して開催しています。もはや冒険というより、ラリーレイド競技という部分を強く出しているイベントになっています。
そんな中、100年前とほぼ同じアイテナリーを使用し、古き良きイメージを強く残すこのラリーの存在は稀です。おそらく,世界的にも最大規模のラリーだと思います。あらゆる部分で、運営と参加者の強い冒険心、意志の強さを感じるイベントだと私は思います。
これはモータースポーツの原点である
このラリーは,古の伝説をそのまま現代に持ってきたイベントだと言えます。元々は20世紀という「未来」を各国に見せる目的であったこのラリーが,今では21世紀のモータースポーツが失った「古き良き過去」を残すものとして開催されている。
100年続くモータースポーツ・イベントは他にもありますが,このイベントはその中でも独特なイベントです。
そして、このラリーが現代でも開催されている理由として「夢への挑戦」という要素は欠かせません。それはモータースポーツの根本的な原点だと思います。
参加者には、それぞれの目標があります。走る、参加する、楽しむ、苦しむ(!?)、笑う、競う、景色を楽しむ、知らない世界を見る、走り切るetc・・・各エントラントによって違う目標に、動力源を持った車という媒体を使って挑戦する。
それは、モーターレーシングが本来持っていた重要な要素だと思います。その原点を、このラリーは現代に伝えています。
今回は、日本ではあまり知られていない「北京パリモーターチャレンジ」について、見所や概要を紹介させて頂きました。興味を持って頂けたら幸いです。
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